所狭しと飾られているのは、すべて実際に存在するフランドルやドイツ、イタリアの絵画。彫像も、古代ギリシア・ローマ時代の有名な作品です。このヴンダーカマー(美術収集室)を描いたのはヴィレム・ファン・ハーヒト。これは、特にアントワープで人気のある主題でした。
ファン・ハーヒトが、古代ギリシアの逸話をもとに前景左手に描いたのは、アレクサンドロス大王の情婦だったカンパスペの肖像を描くアペレス。出来上がった肖像画があまりに美しく、カンパスペの代わりになると考えた大王は、情婦を贈り物として画家に与えました。大王は実物より芸術を選んだのです。
今日の作品は、ハーグにあるマウリッツハイス美術館の協力で紹介しました。
P.S. この当時、野心をもった王や王子たちは、「クンストカンマー」または「ヴンダーカマー」(別名:驚異の部屋)を所有することを望んでいました。驚異の部屋について、もっと知りたい方はこちらをご覧ください!