ヘンリー・O・タナーの母 by Henry Ossawa Tanner - 20世紀前半 - 33.0 x 23.5 cm. ヘンリー・O・タナーの母 by Henry Ossawa Tanner - 20世紀前半 - 33.0 x 23.5 cm.

ヘンリー・O・タナーの母

油彩、合板 • 33.0 x 23.5 cm.
  • Henry Ossawa Tanner - June 21, 1859 - May 25, 1937 Henry Ossawa Tanner 20世紀前半

引き続き黒人歴史月間のお祝いとして、今日はヘンリー・オサワ・タナーを紹介します。お楽しみください!

ヘンリー・オサワ・タナーはアメリカの芸術家で、国際的な賞賛を得た初のアフリカ系アメリカ人画家。アカデミー・ジュリアンで学ぶため1891年にパリへ移り、そしてフランスの美術界で、やがてアメリカの美術界でも賞賛を得ました。本作で画家は、彼の母親サラ・エリザベス・ミラーを描いています。彼女は奴隷にされた人のもとに生まれた11人きょうだいの一人でしたが、サラの母は子どもたちを「地下鉄道」を使い自由へ解放しました。この「鉄道」は、19世紀初期から中期にアメリカで創設された、秘密の経路や安全な家のネットワーク。おもに、奴隷にされたアフリカ系アメリカ人が自由州やカナダへ脱出するために使っていました。ペンシルベニア反奴隷協会のメンバーは子どもたちをいくつかの家族に分け、サラはピッツバーグに送られました。タナーはこの肖像画で、奴隷の身分から抜け出し、我が子に十分な教育を受けさせ成功を収めるまでに育て上げた、忍耐ばかりの人生を送った女性の知恵と経験をとらえています。タナーはこの肖像画を自身で所有しつづけ、家族への手紙の中で愛情を込めて語りました。

ヘンリー・オサワ・タナーは、作品において色彩調和を試みた画家、ジェームズ・マクニール・ホイッスラーに大いに影響を受けました。ホイッスラーの作品はフランスの印象派にも影響を与えました。ご存知のとおり、美術の世界の多くは相互に作用しあっています。印象派についてもっと学びたい方は、DailyArtのオンラインコースをこちらでチェックしてください。

P.S. ハーレム・ルネサンスについて聞いたことはありますか? こちらで、かつてないほどアートで自らを表現した20世紀のアフリカ系アメリカ人画家の物語をチェック!