さくらんぼの時間 by Helen Galloway McNicoll - 1912年頃 - - さくらんぼの時間 by Helen Galloway McNicoll - 1912年頃 - -

さくらんぼの時間

油彩、カンヴァス • -
  • Helen Galloway McNicoll - December 14, 1879 - June 27, 1915 Helen Galloway McNicoll 1912年頃

今日の作品は、あるユーザーの方からご紹介いただきました。このことは、私にとってすごく嬉しいことで、その理由はいくつがあります。例えば、この絵画が女性芸術家によって制作されたものであること――私たちは、いつだって女性芸術家を求めているのです! また、画家がカナダ出身であること――私たちは、ヨーロッパやアメリカ以外の芸術家を探しています。それから、正直言って、私はこの芸術家について聞いたことがありませんでした:) というわけで、Lyndaさん、本当にありがとうございます!もしDailyArtで特定の芸術家が見たいと思った場合は、いつでも提案を受け付けていますので、メールでご連絡ください。[email protected]

ヘレン・ギャロウェイ・マクニコルは、カナダの印象派の画家です。オンタリオで生まれ、モントリオールで育ったヘレン・ギャロウェイ・マクニコルの家庭は、裕福な上流中産階級でした。2歳のときに猩紅熱にかかり、その後生涯、耳が聞こえなくなってしまいます。家族は、ヘレンが社会に完全に参与している一員のままでいられるようにと、家庭教師をつけて読唇術と教育的指導、ピアノのレッスンを教えさせました。ヘレンの若い頃は、いくらか制限はあったものの、孤独なものではありませんでした。家庭教師たちがいたことに加え、ヘレンは地元の耳が不自由な人たちのコミュニティに入ったのです。個別教育と読唇術のおかげで、大人になったヘレンは、同時代の若い芸術家たちと一緒に芸術学校に通うことができたのです。

ヘレンはモントリオールで芸術を学び始め、モントリオール芸術組合(AAM)の絵画教室に2年間通いました。モントリオールからイギリスに渡ったのは、現地で当時盛んであった、いくつかの卓越した実験的な絵画教室に通うためでした。イギリスの後は少しの間フランスに住み、視覚芸術の分野でさらにかっちりとしたしどうをうけました。フランスにいる間にインスピレーションを得たヘレンは、小さなアトリエを開いて絶えず絵を描き続けました。そして1906年、ヘレンはイギリスに戻り、コーンウォール州セント・アイヴスにある、ジュリアス・オルソンの風景・海洋画学校にアトリエを構え続けました。この学校は自由の精神そのものでもあり、別のカナダの印象派エミリー・カーが――ヘレン・マクニコルがそうであったように――幸せと充実感を芸術の中に見出す手助けをしました。ヘレン・マクニコルは、35歳で亡くなりました。

今日お見せしている《さくらんぼの時間》のことは、本当に好きなんです。大人たちが子どもの頃過ごした夏の記憶にあるような、あの夏の日々の無邪気さ、穏やかさ、喜びが、この絵にはあるんですから。