ヘレン・ヴィンセント夫人の肖像 by John Singer Sargent - 1904年 - 157.4 x 101.6 cm ヘレン・ヴィンセント夫人の肖像 by John Singer Sargent - 1904年 - 157.4 x 101.6 cm

ヘレン・ヴィンセント夫人の肖像

油彩/カンヴァス • 157.4 x 101.6 cm
  • John Singer Sargent - January 12, 1856 - April 14, 1925 John Singer Sargent 1904年

ダバノン子爵夫人ヘレン・ヴェネティア・ヴィンセントは、社交界で名の知れた英国貴族で、日記を残した作家でもありました。金ぴか時代(訳注:1870年代から80年代の米国で、資本主義が急速に発展を遂げた時代)の傑出した肖像画家ジョン・シンガー・サージェントは、この絵が制作された1年前、1903年にヴェニスでこの子爵夫人に出会っています。画面左下の手すり越しに垣間見えるのはカナル・グランデ。レディ・ヘレンは、英国社交界の華、そして資本家で外交官のエドガー・ヴィンセント卿の妻としての名声と、類まれな魅力ゆえに、当時を代表する美女として上流社会で広く知られていました。サージェントは、彼女の魅力を存分に引き出しています。優雅さを表す引き伸ばされた手足、気品の徴である乳白色の肌を際立たせる黒のドレス。哀愁漂う真っすぐなまなざしは知性を匂わせています。ヘレンは、知的な政治家や作家、科学者、芸術家が集まるサロン「ザ・ソウルズ」のメンバーでした。そこには、アーサー・バルフォア、ジョージ・カーゾン、ヘンリー・ジェイムズ、イーデス・ウォートンらがいました。

P.S. もしあなたがサージェントの絵画に魅せられているなら、画家のミステリアスな代表作『マダムXの肖像』にまつわる物語を是非ご一読ください!

P.P.S. お気に入りの名画に関する感想を書き留めておけるアート・ジャーナルはいかがですか。サージェントの作品にピッタリですよ!