グランド・ジャット島の春 by Claude Monet - 1878年 - 50.5 x 61 cm グランド・ジャット島の春 by Claude Monet - 1878年 - 50.5 x 61 cm

グランド・ジャット島の春

油彩/カンヴァス • 50.5 x 61 cm
  • Claude Monet - 14 November 1840 - 5 December 1926 Claude Monet 1878年

4月になりました!春めいた絵をご紹介しましょう!

パリ北西部、セーヌ川が河口に向かってゆったりと蛇行する辺りに位置する中州の島がグランド・ジャット島です。日曜になるとパリっ子がそぞろ歩きをするその島は、美術史においてはジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』でお馴染み(デイリーアートのアーカイブでも見れますよ)。そこは、印象派の画家たちにとっての創作の場でもありました。クロード・モネも、1878年の小春日和の日にここにイーゼルを立てました。モネは、もっと下流にあるアルジャントゥイユの牧歌的な風景を好みましたが、この日はグランド・ジャット島で描きたいものを見つけたようです。描かれているのは、春の新緑あふれる川辺の遊歩道と空の広がり。右手にはルヴァロワの土手が、アニエールに向かう鉄橋(樹々の合間に描き込まれています)まで真っすぐ伸びています。ずっと遠くに見えるのは、できたばかりのクリシーのガス工場の高い煙突。煙突から吐き出される黒い煙は、白い雲と混ざり合っています。モネは同じ情景をとらえた絵を3点制作していますが、それぞれ少しずつ構図が異なっています。モネに絵筆を取らせたのは、全体的な印象と素晴らしい光の移ろいですが、その印象は絶えず変容していたのです。

文:Nils Messel

P.S. モネをもっと知りたい方は、デイリーアートの印象派オンライン・メガコースをチェックしてみてください!

P.P.S. ジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』について知っておくべきすべてのことはこちら