千一夜 by Vittorio Zecchin - 1914年 - 140 x 110 cm 千一夜 by Vittorio Zecchin - 1914年 - 140 x 110 cm

千一夜

油彩/カンヴァス • 140 x 110 cm
  • Vittorio Zecchin - May 21, 1878 - April 15, 1947 Vittorio Zecchin 1914年

ヴィットリオ・ゼッキンは、ガラス製造で有名なヴェネツィアのムラーノで1878年に生まれました。ガラス工場で働く父を持つ彼は、幼少期から青年期をムラーノでガラス工芸品に囲まれて育ちましたが、ガラス芸術には興味が湧かず、ヴェネツィアの美術アカデミーで絵画を学びます。しかし、学校に幻滅したゼッキンはアカデミーを退学。美術からも距離を置きましたが、1908年に新しい芸術運動、ウィーン分離派に心を動かされます。分離派の作品は、1908年から1920年までベネツィアのカ・ペーザロにある現代美術館で展示されました。その神秘的で象徴主義的な絵画に加えて、アール・ヌーヴォー運動にも魅せられたゼッキンは、その運動に関わる本場の芸術家と作品に触れるべく、1910年頃にウィーンに向かいます。そこで出会ったグスタフ・クリムトは、彼の作品に長く影響を与えることになりました。 

『千一夜』を完成させた1914年が、ゼッキンのキャリアの絶頂期。12点の作品から構成される30mに及ぶこの大作は、スルタンの娘との結婚をスルタンに懇願するアラジンとその従者の行列を描いています。この作品を注文したのは、ダイニング・ルームを飾るための絵を求めたヴェネツィアのテルミナス・ホテル。  

今日の作品は12点の内の1点。カ・ペーザロ現代美術館が6点を所蔵し、残りは個人蔵となっています。

P.S. 近々にベネツィアに行く予定がある方は、ベネツィアの美術館のアート・ガイドをチェックしてみてください。カ・ペーザロも載っていますよ。

P.P.S. アール・ヌーヴォーの美をお求めなら、デイリーアート・プリントはいかがですか。グスタフ・クリムトの傑作もあります。