葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』は絵画史上最も人気の高い作品の一つ。しかし、波を描いたもう一つの作品『女浪』の存在はあまり知られていません。今日はそれを紹介しましょう!
『女浪』が描いているのもまた、渦巻き、そそり立つ波。北斎が変化する波の姿に魅せられていたのは明らかで、波を描いた作品が幾つか遺されています。写真で撮ったかのように、小さな渦の一つ一つまでを描き込むことで、北斎はダイナミックな波のイメージを捉えようとしました。
北斎は、『女浪』と対になる天井板絵『男浪』を描いています。2つの絵を比較すると、『女浪』はより穏やかで包み込むような印象がある一方で、『男浪』はエネルギーにあふれ、挑むような動きが見て取れます。
P.S. 北斎の『神奈川沖浪裏』についてもっと知りたい方はこちら。(デイリーアートのオンライン・ストアに複製画もありますよ)