ルノワールの恋人だった時期もあるリーズ・トレオは、画家のために何度もモデルを務めました。が姿には官能的な媚態こそありませんが、肩から滑り落ちたブラウスやもつれた黒髪、くつろいだ姿勢で前を向く姿はロマン主義の伝統を踏襲しており、観る者と視線を合わせることは避けています。一方で力強い創造性にあふれた表現にはクールベの影響が見て取れます。幅広のタッチで描かれた木漏れ日はモデルには届かず、その姿を照らすのはアトリエの明かりだけです。
今日の作品は、ベルリン美術館群の旧国立美術館の協力で紹介しました。
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