プランテーションのお祝いのダンス「ドゥ」のジオラマ by Gerrit Schouten - 1830年 - 61 x 69.8 × 17.1 cm プランテーションのお祝いのダンス「ドゥ」のジオラマ by Gerrit Schouten - 1830年 - 61 x 69.8 × 17.1 cm

プランテーションのお祝いのダンス「ドゥ」のジオラマ

木 (植物性材料) • 61 x 69.8 × 17.1 cm
  • Gerrit Schouten - 16 January 1779 - 28 January 1839 Gerrit Schouten 1830年

今日はアムステルダム国立美術館蔵の特別な作品をご紹介。同館のコレクションには、かつての奴隷制度と関連のあるものがたくさんあります。しかし同館と奴隷制のつながりにすぐに気づいたり、キャプションからそのことを発見できる人はあまりいません。このジオラマ(フルサイズやミニチュアの立体模型)はそのような作品の一例です。テントの中に見えるのは「ドゥ」で、当時オランダの植民地だったスリナムのプランテーションで行われていた、音楽とダンスのあるロールプレイの一種。演者も観客も奴隷とさせられていた人々です。主役は「アフランケリ」という語り手(左端の女性)で、右の赤い服の男性は植民地の権威を表しています。ドゥの最中には、奴隷の人々はその権威への批判を彼ら自身の言語であるスラナン語で言い放つことが出来たのです。

このジオラマの作者のゲリット・スホーテンはスリナムの画家。オランダ政府の役人ヘンドリック・スホーテンと地元の黒人女性スザンナ・ハンセンとの息子で、独学で絵を学びました。スホーテンはプロの画家として仕事をした初のクレオール(訳注:植民地で生まれた人)。1835年、彼はスリナム滞在中のオラニエ公ウィレムへ蝶の絵を献上します。のちに美術作品が認められ、オラニエ家から金メダルを授与されました。

P.S. この驚くべきジオラマは、アムステルダム国立美術館の革新的な展覧会『奴隷制』で展示されました。