今日は美しいオランダへ向かいましょう。この絵は、ユトレヒトのブールケルクという教会の内部を描いています。当時、教会の内部を専門としたオランダ画家は何人かいましたが、ピーテル・ヤンス・サーンレダムはとりわけ革新的でした。彼は実物を誇張して表現したのです。本作では柱を伸ばして崇高さをつくりだし、日光を建物へ溢れさせています。特にこの光は見事です。光の源である、構図の中央の窓を見れば、まるでこの教会の中央に立っているような感覚になります。サーンレダムが本作を描く数年前、教会は新たに、飾り気のないプロテスタント風に改修されました。かつて色とりどりだった壁は漆喰を塗られ、祭壇画は撤去されました。
ところで、右側をご覧ください... 犬と遊ぶ男の子、さらに壁に落書きする男の子の姿が! その横には馬と4人の騎士の落書きが見えます。おそらく、カール大帝から逃げ出したエイモン公の4人の息子の物語になぞらえたものでしょう。これは子供のしつけの喩えであると考える美術史家もいます。そしてこの集団は、サーンレダムと同時期か、または画家の亡き後かなり経ってから、別の画家が描き加えたものだと考える美術史家もいます。とてもミステリアスですね!
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P.S. 歴史上でも芸術的に豊かな時代で、光と闇を持ち合わせたオランダ黄金時代において、教会内部というのは、唯一の奇妙なものでした。