エマオの晩餐 by ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1601年 - 141 × 196.2 cm エマオの晩餐 by ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1601年 - 141 × 196.2 cm

エマオの晩餐

油彩/カンヴァス • 141 × 196.2 cm
  • ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ - 1571年9月29日 - 1610年6月(?)18日 ミケランジェロ・メリージ カラヴァッジョ 1601年

私はカラヴァッジョが大好きです!カラヴァッジョの絵はとても写実的で現代的。今日紹介する『エマオの晩餐』は酒場の一場面のようです!そう思いませんか?あるいはイタリアの大衆食堂での日常の夕食風景?そう思うのは偶然ではありません。

この絵には、復活したキリストがエマオの町で2人の弟子(ルカとクレオパとされています)に自分の正体を明かす場面が描かれています。2人は男がキリストだと気づきません。しかし、その夜の食事の席でイエスは「パンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。すると二人の目が開け、イエスだとわかったが、その姿は見えなくなった。」(ルカによる福音書24章30‐31節)

巡礼者の印のホタテ貝の貝殻を身に着けたクレオパと、破れた服を着た使徒の仲間。腕を大きく広げたクレオパは、画面から飛び出すかのような遠近法で描かれています。平板な額をした顔が影になっている主人は、この場の出来事に気づいていないかのように立っています。この絵は、人物が等身大で描かれている点、背景が暗く何も描かれていない点が独特です。カラヴァッジョは使徒たちを労働者のような姿で描き、対照的にキリストは髭のない若者の姿にすることで、別世界から来たかのような印象を与えるのを常としました。カラヴァッジョはその写実的描写によって、キリストはいつでも信者たちの目の前に現れるのだと示唆しているようです。  

P.S. 今日の作品は間違いなくカラヴァッジョの代表作の一つですが、彼の芸術性を理解するために他の10点も是非ご覧ください。