カナダの七人会(訳注:1920年から1933年まで活動したカナダの風景画家7人のグループ)のメンバーと同時代の風景画家トム・トムソンは、400点以上の油彩画の小品を遺しました。支持体には木製パネルやカンヴァス、合板、葉巻入れの蓋などを使い、制作をするのは戸外。筆のおもむくままに素早く仕上げたスケッチ。画家にとっては、ドローイングのようなこの描法こそ、アイデアや思考、感情、知覚をありのままにその場で表現するために最も適したやり方だったのです。日没、雷雨、北方の明かりといった事象の観察から生まれた作品は、視覚に訴える、ユニークな日記のよう。絵筆の幅広のストロークと自由な色遣いで、オンタリオ州の風景の美と色彩を表現したトムソン。七人会が創設される直前に、不慮の事故による溺死で39歳の若さで亡くなったことは、カナダの美術界にとっての悲劇でした。
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