帽子とベールの自画像 by Paula Modersohn-Becker - 1906/1907年 - 79.8 x 89,6 cm 帽子とベールの自画像 by Paula Modersohn-Becker - 1906/1907年 - 79.8 x 89,6 cm

帽子とベールの自画像

油彩/カンヴァス • 79.8 x 89,6 cm
  • Paula Modersohn-Becker - 8 February 1876 - 30 November 1907 Paula Modersohn-Becker 1906/1907年

パウラ・モーダーゾーン=ベッカーは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したドイツ表現主義の画家。彼女の作品は、その激しさと、率直であけすけな人間性、そしてヌードを含む多くの自画像で知られています。モーダーゾーン=ベッカーは、その短い生涯にドローイングも含めて約50点にのぼる肖像画を描いていますが、彼女ほど多くの自画像を遺した女性画家は多くありません。

この『帽子とベールの自画像』は1906年にパリを訪れた際に描いた作品。着想の源となったエジプトのミイラ肖像画は、ファイユームのオアシスで1880年代に発見されたもので、モーダーゾーン=ベッカーは1903年にパリで公開された複製画を見ています。彼女はそのサイズと単純明快さに衝撃を受けました。「額、目、口、鼻、頬、あご、それだけです。(中略)この古代の口元はなんとシンプルに表現されているのでしょう」1906年夏に描かれたプロト・キュビズムの肖像画は、クローズアップされたトリミングの効果によって親密さが表出していますが、その一方で、感情面の距離感と解離を感じさせます。

P.S. パウラ・モーダーゾーン=ベッカーの生涯と作品については、こちらをご覧ください!