フレデリック・ヘンドリック公の凱旋 by Jacob Jordaens - 1652年 - 728 cm × 755 cm フレデリック・ヘンドリック公の凱旋 by Jacob Jordaens - 1652年 - 728 cm × 755 cm

フレデリック・ヘンドリック公の凱旋

油彩、カンヴァス • 728 cm × 755 cm
  • Jacob Jordaens - May 19, 1593 - October 18, 1678 Jacob Jordaens 1652年

今日紹介する美術作品は、現在ではオランダ王家の住まいとなっている、ハーグのハウステンボス宮殿のために依頼された作品です。その素晴らしい宮殿は、1645年にネーデルラント連邦共和国がオラニエ公フレデリック・ヘンドリックに与えたものでした。『凱旋』はこの芸術的な一連の最高潮を象徴するもので、ヤーコブ・ヨルダーンスによって生命を吹き込まれましたが、彼はルーベンスとアンソニー・ヴァン・ダイクの亡き後、スペイン領オランダにおける主要画家として台頭した人物です。

この典型的なバロックの名作について、さらに掘り下げてみましょう。ヨルダーンスのこの芸術作品で、フレデリック・ヘンドリックは甲冑と真紅のコートで着飾っていますが、それは古代ローマにおける勝利を意味する衣装を思い起こさせます。彼は勝ち誇る戦闘用馬車の王座に堂々と座っています。その後ろにいるのは勝利の黄金像で、2つの王冠を巧みに操り、片方をフレデリック・ヘンドリックの頭に載せ、もう片方をその息子であるオラニエ公ウィレム2世のほうへ差し出しています。ウィレム2世はやや下方の右隅に、若々しい騎手として描かれています。ウィレムの後ろは裸のヒュメーン(訳注:ギリシャ神話の神)で、大きな王冠のついた金色の輪を持っています。その輪の中の握られた2つの手は、ウィレムと、チャールズ1世の娘メアリーとの連合を表しています。戦闘用馬車を引くのは、金で覆われた馬具を付けた威厳ある白馬たち。その馬の一頭に乗るトルコ風の装いの人物は、角のような形の容器を抱えていますが、中身は溢れんばかりの果物や穀物の穂で、それは豊穣を象徴しています。馬たちの傍らには、左にミネルヴァ、右にはマーキュリーがおり(訳注:どちらもローマ神話の神)、前者は知恵、戦闘の美徳、狡猾さを表しています。馬が蹄で踏みつける2匹の恐ろしい蛇は不和を象徴し、心臓を噛む人物は妬みの象徴です。馬の前方に位置する2匹のライオンは、勇敢さと度胸が具現化されたもの。左側遠くには、4人の女神がネーデルラント連邦共和国の4つの区域を象徴しており、この勝利と美徳を描いた見事な場面を完成させています。

2024年が皆さんにとって、この絵のように意気揚々としたものになりますように。それにはきっと、DailyArtの2024年カレンダーも欠かせません!

P.S. ヤーコブ・ヨルダーンスをご存知なかったなら、ぜひその状況を変えましょう! 彼の美術は壮大です! 最も有名な傑作の一つを探ってみましょう! バロック期の素晴らしい絵画をさらに見たい方は、下の記事へどうぞ。  :)