魚(静物) by Édouard Manet - 1864年 - 73.5 × 92.4 cm 魚(静物) by Édouard Manet - 1864年 - 73.5 × 92.4 cm

魚(静物)

油彩/カンヴァス • 73.5 × 92.4 cm
  • Édouard Manet - 23 January 1832 - 30 April 1883 Édouard Manet 1864年

静物の取り合わせは、革新の画家エドゥアール・マネの代表作の多くで重要な役割を果たしていますが、静物画そのものに対する画家の関心が最も高かったのは、本作が描かれた1864年から1865年にかけての時期でした。時代は、静物画が再び脚光を浴びるようになった19世紀。その頃台頭しつつあった中流階級は、手ごろな価格の親密な絵を求めたのです。この作品の構図は、マネの他の静物画と同様に、17世紀のオランダ絵画を想起させます。一方、ためらいのない大胆な筆さばきと、題材が目の前にあるかのような臨場感のある描写は、マネの作品が、旧習に囚われない型破りな印象を人々に与えた証左でもあります。新鮮な魚と果物。生き生きとした筆致。『魚』は「死せる自然」("nature morte" :フランス語で静物のこと)そのものの描写ですが、そこに動きのないものはありません。真ん中に置かれた鯉も、その他の要素が作り出す明確な対角線の構図を相殺し、カンヴァス全体に動きを与えています。マネは静物画をサロンに出品することはありませんでしたが、代わりに急速に勢いを増したパリの画廊ネットワークを使って絵を売ったり、友人に贈ったりしていました。

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P.S. 魚を描いたのはマネだけではありません。巨匠が描いた魚の静物画をこちらでご覧ください!