志願兵 by Käthe Kollwitz - 1921-22年 - 34.9 x 49.5 cm 志願兵 by Käthe Kollwitz - 1921-22年 - 34.9 x 49.5 cm

志願兵

木版画 • 34.9 x 49.5 cm
  • Käthe Kollwitz - 8 July 1867 - 22 April 1945 Käthe Kollwitz 1921-22年

今日は第一次世界大戦休戦記念日。午前5時45分、フランスのコンピエーニュの森で連合国とドイツが休戦協定に署名し、第一次世界大戦は実質的に終了しました。 当時「大戦争(Great War)」あるいは「戦争を終わらせるための戦争(the war to end all wars)」と呼ばれ、6,000万人のヨーロッパ人を含む7,000万人以上の兵を動員した史上最大の戦争の一つとされたこの戦いは、推定850万人の兵士と1,300万人の市民の命を奪った、史上最も死者の多い戦争でもありました。 

戦争で息子を亡くしたドイツの画家ケーテ・コルヴィッツは、1919年に木版画の連作『戦争』の制作に着手します。それは、彼女が「言葉に言い表せないぐらい辛い時期」と呼んだ戦中・戦後の悲劇の年月を耐え抜いた末の叫びでした。7点の木版画は、母や未亡人、子供といった、後に残された人々の悲しみに焦点を当てています。

兵士の姿を描いているのは『志願兵』の1点だけ。部隊を戦いへの熱狂的な行進に駆り立てる「死」の隣に横たわっているのは、コルヴィッツの末息子のペーター。彼は召集の2か月後に戦死します。この連作を多くの人に見てもらいたいと考えた画家は、時や場所を特定する要素を排除することで、名誉や栄光といった抽象的な概念の代償として強いられた犠牲への怒りを、万人に伝わるような普遍的な形で表現したのです。

P.S.第一次世界大戦で従軍した5人の画家たちについては、こちらをお読みください。

P.S. 第一次世界大戦が終戦を迎えたときにはかなり高齢だったクロード・モネが、いかにして兵士たちに敬意を表したかをご存知ですか?答えは、印象派のオンライン・メガコースをご覧ください。