きっとこの絵は見たことがありますよね。これはインターネット・ミームとして人気で、怒りと弁明の瞬間を表現するために使われています。
これを描いたフランスの画家トゥールムーシュは、クロード・モネやエドガー・ドガといった同時代の画家たちが、ゆったりとして、あまり構造化されていない印象主義に傾倒していた頃に、パリの裕福な女性たちを理想化して描いた肖像画で知られていました。トゥールムーシュのアカデミック・リアリズムというスタイルは、やがて後世まで続く印象派的な様式に取って代わられたのです。
この頃のトゥールムーシュの、あまり有名でない作品の一つ『不本意な花嫁』には、彼が得意とした主題に特徴的な、豪華な室内空間と華麗な装いの4人の女性が描かれています。しかし、この絵を特徴づけているのは、花嫁の陰鬱な表情です。19世紀美術において、このような自立した女性の姿は極めて稀でした。花嫁が、裕福な家族が選んだ男性と結婚することに不満なことが明らかに見てとれます。女性の内面を掘り下げたことこそ、トゥールムーシュが手際よく成し遂げた成果であり、今も人気の要因でもあるのです。
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P.S. ジャン・ベローの作品で、19世紀パリのツアーに出発しましょう!