自画像 by フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1887年4月~6月 - 32,8 x 24 cm 自画像 by フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1887年4月~6月 - 32,8 x 24 cm

自画像

油彩、厚紙 • 32,8 x 24 cm
  • フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1853年3月30日 - 1890年7月29日 フィンセント・ ファン・ゴッホ 1887年4月~6月

163年前の今日、フィンセント・ファン・ゴッホが生まれました。生前は評価されなかった彼の作品は、今や史上最も見覚えのある芸術作品に含まれるようになりました。誕生日の記念として本日ご紹介いたしますのは、ファン・ゴッホ美術館に次いで二番目に大きなフィンセント・ファン・ゴッホ絵画コレクションを有する、クレラー・ミュラー美術館所蔵の自画像です。

この自画像は、40歳を超えたファン・ゴッホが10年の期間を超えて生み出したものの1つであり、これらの自画像群は画家としての彼の作品の中で、最も重要な役割を占めています。レンブラントやゴヤ同様、ファン・ゴッホはしばしば自分自身を絵のモデルにしました。しかし彼の場合、自分自身をよく描いたのは、モデルに払うためのお金が足りないことが多かったためでした。巨匠たちと同じく、ファン・ゴッホは鏡の中の自分を注意深く観察しました。赤い髪と髭、やつれた容貌、見つめるような烈しい視線を見れば、すぐにゴッホだと分かります。

ゴッホは肖像写真よりも肖像画を好んでおり、そのことを弟テオへの手紙でこう書いています。「僕はここで、たくさんの写真家を知った(中略)。しかしいつだって同じような月並みな目、鼻、口があって、蝋のように滑らかで冷たいのだ。それでいてなお、常に死んだままでいる。そして肖像画には、画家の魂の奥深く、機械が辿り着けないところから来た、画家自身の命が宿っているのだ。写真をたくさん見ればみるほど、僕からすれば、そのことを感じるようになると思う。」 そしてパリに居るときには、妹ヴィレミーナにこのように書き送っています。「自分自身を描くことは簡単なことじゃない(中略)そしてほら――これこそが印象主義が有していたもので――と僕は思うのだが――他に比べて陳腐ではなく、写真家が本人に似せようとするよりも、もっと深い部分の類似性を探っているのだ。」

明日は、ファン・ゴッホと同じ3月30日が誕生日の偉大な芸術家をご紹介いたします。美術史にとって良い日であるようですね :)