ドラゴンと戦う聖ミカエル by Albrecht Dürer - 1496-1498年頃制作、1511年印刷 - 39.1 x 28 cm ドラゴンと戦う聖ミカエル by Albrecht Dürer - 1496-1498年頃制作、1511年印刷 - 39.1 x 28 cm

ドラゴンと戦う聖ミカエル

木版 • 39.1 x 28 cm
  • Albrecht Dürer - May 21, 1471 - April 6th, 1528 Albrecht Dürer 1496-1498年頃制作、1511年印刷

アルブレヒト・デューラーは、木版という媒体を、それまでは銅版画でしか見られなかった洗練さのレベルへ高めました。銅版画がその洗練さの頂点に達したのはその30年ほども前でした。この注目すべき木版画において、デューラーは見事に線の太さに強弱をつけて光と影を識別し、奥行き感を精巧に作り上げています。

この木版画は、デューラーによる黙示録を描いた連作の一部。「そして天国では戦いが起こりました。ミカエルとその天使がドラゴンと戦ったのです。ドラゴンとその天使も応戦しましたが、勝てませんでした。もう天国に彼らの居場所はなかったのです。」『ヨハネの黙示録』で描写される物語では、最後の戦いが世界の終末を暴き、天国と地獄を、善と悪を立ち向かわせます。神に使える集団の主導者である大天使ミカエルは、邪悪と戦う天使たちを指揮します。邪悪は七つの首を持つドラゴンの姿で表され、それぞれの首は、七つの大罪を一つずつ象徴しています。デューラーは、聖ミカエルがドラゴンの首の一つへ槍を投げる、英雄的な対決の瞬間をとらえました。聖ミカエルを取り囲む3人の天使は加勢の準備万端です。天空の戦いの下には平和な風景が広がり、そこには山々や風変わりな町並みがあり、そびえ立つ塔のある教会によって街の静寂さが強調されています。デューラーはこの絵に、彼を表す“AD”のモノグラムを入れました。ページ下部中央にあるその印は、彼の全ての版画作品にあるサインです。

P.S. DailyArtショップには本作とはまた別の、天国と地獄を叙情詩的に描いた高品質な複製画があります。原画はデューラーの版画と同時期の制作ですが、まったく違った印象です!

P.P.S. マジック・スクエアというのを聞いたことはありますか? アルブレヒト・デューラーは、その図形を『メランコリア I』の銅版画に含めました。この謎めいたシンボルマークについて探ってみましょう! デューラーの美術をさらに見るには下の記事へ。