サン=レミの療養所に自主的に入院していたゴッホは、1889年の秋から90年の冬にかけて、深く敬愛していたジャン=フランソワ・ミレーの作品に触発された21点の絵を制作しました。ゴッホは、それはミレーの絵を単に模写するのではなく、音楽家が作曲家が書いた楽譜を解釈して演奏するのと同様に「翻訳」する行為だと記しています。弟のテオから送られた印刷物や複製画、写真などのモノクロ資料を起点として、表現力に溢れる独自の色彩で即興的に描いたゴッホ。
1890年1月に描かれたこの作品では、ミレーの『歩きはじめ』の写真を使って構図をカンヴァスに丁寧に写し取った後に、自身の色遣いと力強い筆致で仕上げています。親に向かって初めての一歩を踏み出す愛らしい子供の姿には、家庭生活や人とのつながりに対する画家の深い感性が反映されています。
今日は、国際子どもの日にちなんでこの心温まる作品を選びました。子どもがまだ幼い頃の喜びやもろさ、驚きが見事に表現されていますね。
P.S. あなたの部屋を明るくするゴッホの素晴らしい傑作を是非ご覧ください。美術館クオリティの高精細複製画ですよ!
P.P.S. ゴッホが触発されたのはミレーだけではありません。ゴッホが模写した画家たちを見てみましょう!