オランダを代表する海景画家の一人、ルドルフ・バックホイゼンが1690年頃に描いたこの絵が捉えているのは、海上のドラマ。3本マストの船が折れた帆柱と格闘しながらも、不屈の精神と勝利を象徴するオランダ国旗を高く掲げています。この絵は、海運力と貿易に支えられた17世紀オランダの栄光を想起させます。
光と水、大気を描くバックホイゼンの表現力が創り出すのは、恐ろしくも美しい情景。荒れ狂う波と暗雲は、船という人為的な秩序と対照を成し、自然と人間の営みとの間の危うい均衡を浮き彫りにしています。
本作は、かつてオランダ国王ウィレム2世のコレクションの一部でした。バックホイゼンの作品はエリート階級の間で高く評価され、ピョートル大帝も造船技術を学ぶために彼に教えを乞いました。今日ではこの絵は、オランダ海景画の黄金時代の力強さ、ドラマ性、熟練の技法の証となっています。
今日の作品は個人蔵ですが、ハーグのフーストデール美術館財団のご厚意で紹介しました。
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Ludolf Backhuysen