身繕いする女 by Berthe Morisot - 1875–80年 - 60.3 × 80.4 cm 身繕いする女 by Berthe Morisot - 1875–80年 - 60.3 × 80.4 cm

身繕いする女

油彩/カンヴァス • 60.3 × 80.4 cm

  • Berthe Morisot - January 14, 1841 - March 2, 1895 Berthe Morisot

    1875–80年

私はベルト・モリゾのこの作品が大好きです。19世紀後半のフランスの近代性を体現した、都会のお洒落なパリジェンヌの親密なプライベート空間を垣間見せてくれます。舞踏会を終えて化粧台に向かう女性。イアリング、そして首元にはベルベットのリボンをまだ付けていて、片手を上げて束ねたシニョンを解こうとしています。彼女の周りを取り囲むモリゾの軽やかで羽毛のような筆致が、花柄のベッドカバーと壁紙の柔らかさを想起させ、画面からはひと時のはかなさが伝わってきます。 

鏡にも施された、薄絹で覆うような筆遣い。それは、モデルの女性の鏡像を曖昧にすると共に、女性の虚栄心の象徴という、鏡が持つ伝統的な含意をやんわりと隠しています。モリゾが表現したのは、自己を見つめる明確な視線ではなく、曖昧さ。鏡の下端に控えめに記された署名は謎めいた印象を与え、この女性が画家の分身ではないかという憶測を呼んでいます。

情熱的に印象主義の原理を支持したモリゾは、『身繕いする女』を通して、細部の描写よりもむしろ示唆によって、現代生活の本質を伝えようとしました。8回開かれた印象派展の内、7回にわたって出展したモリゾ。この作品は1880年の第5回展に出品され、高い評価を受けます。彼女の芸術世界は、親密な家庭の室内空間に加えて、母子、庭園、野原、海辺の別荘にまで広がっていました。

今日から女性史特集月間が始まります。私たちは、女性画家のアートを紹介することをミッションとしていますが、特に毎年3月は女性史に焦点を当てるのが恒例になっています。お楽しみに!

P.S. ベルト・モリゾの作品5点はこちら!女性芸術家に関する知識を試してみたい方は、「女性画家の自画像クイズ」に挑戦してみてください!