これは、モネが1884年にイタリアのリヴィエラに滞在中に、地中海の風景を再発見して描いた作品です。ボルディゲーラで目にした光景に着想を得てはいますが、この大型の作品は、現地で描いた小ぶりの油彩スケッチをもとにジヴェルニーのアトリエで仕上げたもの。モネは当初、友人のベルト・モリゾの家の応接間を飾る装飾パネルとして構想していました。 モリゾは、1884年初頭に姉のエドマに宛てた手紙の中で、モネが自宅用のパネルを贈ると約束してくれたことを嬉しそうに記しています。
描かれているのは、モネが魅了された地中海の強烈な日差しと、そこで目にした豊かな植生。そこは、モネが「地上の楽園」と熱狂的に称賛したモレノ氏の庭園です。世界中から集められた植物、とりわけ多種多様なヤシの樹が、ほとんど手入れがされていないかのように自由に密生していました。この絵には、モネの作品に見られる特徴の幾つかが凝縮されています。ほぼ正方形に近い大きなサイズは、装飾パネルにしようとした意図にふさわしく、屋外でスケッチしたモチーフをアトリエで仕上げるという手法は、後にモネの作品の多くを特徴づけることになる連作のアプローチを予見させます。また、エキゾチックなしつらえは庭園好きのモネを何度も誘い出し、地中海風の色彩と雰囲気がただよう作品へと変貌をとげました。
イタリアの太陽が恋しいです!
P.S. ボルディゲーラは、ドラマ『君の名前で僕を呼んで』の舞台になっていることをご存知ですか?モネが美しいボルディゲーラを描いた作品を見てみましょう!