雨傘 by Pierre-Auguste Renoir - 1880–1886年頃 - 180.3 × 114.9 cm 雨傘 by Pierre-Auguste Renoir - 1880–1886年頃 - 180.3 × 114.9 cm

雨傘

油彩/カンヴァス • 180.3 × 114.9 cm
  • Pierre-Auguste Renoir - February 25, 1841 - December 3, 1919 Pierre-Auguste Renoir 1880–1886年頃

今日は雨のパリへ!

今日の作品は、傘をさして雨をしのぐ沢山の人々で賑わう通りを描いています。画面右手に見えるのは、1881年に流行した服を着て、午後の散歩中の二人の娘に目をやる母親の姿。傘を開くか、あるいは閉じようとしている女性もいて、雨はちょうど降り始めたところか、それとも止みそうな気配なのでしょうか。

この絵の焦点は中央ではなく、左に寄っています。そこでは、髭を生やした若い男性が、帽子入れを提げた女性に傘を差し出そうとしているようです。天候を考えれば不思議なことに、この女性は帽子もレインコートも傘も持っていません。女性用の帽子職人の助手か、婦人服の仕立て屋と思われる彼女は、ルノワールの恋人の画家、シュザンヌ・ヴァラドンをモデルにしています。ヴァラドンは度々、ルノワールのモデルを務めています。この女性と、右手の二人の少女の内、フラフープとスティックを持った女の子が観る者にまっすぐ視線を向けている一方で、他の人々は自分のことに忙しいようです。

構図はごく自然ですが、傘が作る角度は、幾何学的な形状を表現するために慎重に配置され、女性が持つ帽子入れや女の子が手にしているフラフープなどには曲線的な要素が見られます。画面上部で傘が織りなすパターンと、その下にいる人々の服装が、青とグレイを基調とした色遣いで描かれています。 

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