ドイツの画家、リトグラフ作家のヤコブ・アルトの最も有名な水彩画が、このビーダーマイヤー時代(訳注:19世紀前半のドイツ、オーストリアの中産階級を中心に、日常的で身近な家具や装飾に目を向ける市民文化が広がった時代)の室内画の傑作『画家のアトリエからの眺め』です。開け放たれた窓から射し込む光と新鮮な空気がアトリエを満たし、視線の先にあるのは、ウィーン郊外の家々の屋根の向こうに広がるウィーンの森の木立に覆われた丘。誰も座っていない椅子、イーゼル、そしてデッサン・テーブルは、画家がほんの少し前に席をはずしたことを示唆し、観る者に制作過程を想像するように促します。
この絵の注文主は、アルト家からの眺望を愛したオーストリア皇帝フェルディナンド1世。ヤコブ・アルトは日常の身の回りの様子を注意深く観察し、アトリエの静かで整然とした雰囲気と、窓の外に広がる美しい風景とを対比させました。
P.S. 窓から見た都市の景観を描いた最も有名な絵の作者は、フランス印象派の画家でした。誰のことかわかりますか?答えはこちら!
Jakob Alt