アボリジニが使う物に描かれたデザインの中には多様な図像や模様が用いられており、彼らの暮らすオーストラリア全土において、文化的な違いがかなり存在しているということを強く表しています。19世紀に作られたこの特徴的な盾は、クイーンズランドのものとされる盾としては典型的なものであり、キャプリコーニア海岸のマッカイ港で発見されました。 一方でこの盾は、彫り込みと独特な赤と黒の文様があるという点で他の物とは異なっています。 この文様と色の組み合わせは、オーストラリアの中でも周囲から離れた地域にいるアボリジニの人々以外は、通常用いないものです。このデザインは白色粘土の下地の上に塗り重ねられており、その下地は盾の端に帯状に残っています。1891年のイシドール・ド・ビアのコレクションと関連があるということ以外に、この盾に付随する記録資料はほとんどありません。素材となる木はクラジョン、あるいは「ブラキキトン」であったとされており、盾の名前としては「グールマリー」という言葉が記録されています。この言葉が表しているのがこの盾のことなのか、木材のことなのか、この盾の出所である集団の名前であるのかは、明らかになっていません。