『ハイタカ』はヴェネツィアの画家ヤコポ・デ・バルバリによる絵で、おそらく1510年代後期、彼が晩年近くにオランダで活動していた頃に描かれたものです。部屋の隅付近の木製の手すりにとまり、後ろの漆喰の壁へ影を落とす、雌のハイタカを描いています。灰色の羽の猛禽は、鈴の付いた足緒をつけています。もしかするとこの絵は、今は失われた、もっと大きい作品の一部なのかもしれません。これはトロンプ・ルイユ(だまし絵)の初期の作例だと考えられています。遠近法や陰影を使って、実物の鳥が空間を占めているような印象を与えており、カレル・ファブリティウスの『ゴシキヒワ』とよく似ています。その絵もDailyArtのアーカイブでご覧になれます。
左足のすぐ上の小さな鈴は、どのあたりを飛んでいるのかを調教師へ知らせていたのでしょう。ハイタカは細いロープで繋がれていますが、輝く目は、世界にとってそれがどれほど鋭く用心深いかを示しています。
P.S. アートの中でもっとも有名な鳥の一羽が、カレル・ファブリティウスの油彩で永遠に存在するゴシキヒワです。それは小説や映画にも影響を与えました。ご存知でしたか?詳しくはこちら!