コンポジション VII by Wassily Kandinsky - 1913年 - 302.3 x 200.7 cm コンポジション VII by Wassily Kandinsky - 1913年 - 302.3 x 200.7 cm

コンポジション VII

油彩、キャンバス • 302.3 x 200.7 cm
  • Wassily Kandinsky - December 16, 1866 - December 13, 1944 Wassily Kandinsky 1913年

1866年のまさに今日、純粋な抽象絵画を世界で初めて制作した画家の一人として評価されているワシリー・カンディンスキーが誕生しました。今日は、音楽からインスピレーションを得た彼の抽象画のうちの1枚をご紹介します。

 

カンディンスキーは、彼の作品、「コンポジションVII」について特段のコメントを残していません。しかし、彼の他の作品という実質的なコメント―墨汁によるドローイング、水彩画、分析的な描き方をされている図形やキャンバスを含む30以上もの準備作品を残しています。それらは、最終的に制作された絵に論理的につながるような、連続した作品として順序よく並べることはできません。しかし、それらの作品は、複数の独立した流れを持つ、自発的に発展する多声的な過程でした。

 

複雑な多声性という概念は、カンディンスキーの「コンポジションVII」のための可塑的なモチーフ—この作品の序章ともいうべきものを形作った具象的な作品にみられるもの―にも当てはまります。画家は、「コンポジションVII」の画題を明確にしていませんし、実際に「出発点として、どんな物体や形も画題の起源」もないと主張していますが、これらの可塑的なモチーフは、相互に関連したいくつかの作品―「最後の審判」「諸聖人の日Ⅰ」「諸聖人の日Ⅱ」「最後の審判の天使」「最後の審判の日の万人の復活」にその起源があると考えられています。

 

これらの作品に出てくるモチーフは、すでに概ね図式化され黙示録的な図像として扱われ、1枚の絵から別の絵へ自由に引き写されています。さまざまな変遷を経ながら―構図や色は変化しており、それら自身の鏡像を示し、解体され引き延ばされ、絵に混ぜ込まれ、強調され、最終的に、多かれ少なかれ抽象的なものになっています。

 

今日ご紹介した画家の違う側面、抽象的ではない作品については、DailyArtDaily.comの「カンディンスキーのロシアのおとぎ話の世界」という記事をどうぞ。