3月の毎週火曜日と日曜日は、ヨーロッパの美術館に収められた幾万もの作品をデジタル化し多言語での利用を可能にしたオンライン・コレクション、ヨーロピアナ280の作品を特集します。ヨーロピアナとのコラボの中でご紹介する作品はいずれも、あっという間に世間に知られた名作であれ、知名度は低いものの忘れられない宝物であれ、ヨーロピアナ280キャンペーンの一環としてヨーロッパの国によって共有されたものです。このキャンペーンは、これまでヨーロッパに貢献してきた多様な優れた作品の数々について探求することで、共有財産となったヨーロッパの芸術作品を記念するものです。ヨーロピアナ280について詳しく知りたい方は、SNSで #Europeana280 をフォローするか、このウェブサイトを見てみてください。
フランツ・フォン・シュトゥックは、ドイツ人の画家・彫刻家・版画家・建築家であり、主にアール・ヌーヴォーや象徴主義との結びつきがあります。シュトゥックが主題として扱うものは、基本的に神話から取られたもので、アルノルト・ベックリンの作品にインスパイアされたものです。シュトゥックが描く絵画は、たいていが大きな形態が主となるものであり、このことは彼が彫刻に対して親近感を持っていることを示しています。彼が描く魅惑的な女性の裸体は、印象派が頻繁に描いた内容の主たる例となっています。
この絵に描かれているのは、どこか分からない暗い空間にいる裸の男が腰を下ろして、キャンバスの外を見ている様子です。彼の瞳は、鑑賞者にくぎ付けになっています。頭は左手の上に乗っています。右手は後方や左手横の方面に引っ張られていますが、どちらも彼の暗く羽に溢れた翼に抱かれ、隠されています。左側の背景には青く光る光源が見えます。この《ルシファー》という絵画は1891年に、ブルガリア王子フェルディナント1世がミュンヘンにある画家のアトリエを訪れた時に個人的に購入し、王室のコレクションに納められました。この絵は、1930年12月25日にブルガリア王ボリス3世によってソフィアのブルガリア国立博物館に寄贈され、コレクション入りを果たしました。1948年頃には、新しく創設されたソフィアの国立アートギャラリーに移動することとなりました。