グラハムの作品の根底に流れるのは、うつろいゆく自然を見つめるまなざしです。彼は山頂に浮かび谷に垂れこめる雲の流れを、斜面を這う影に写しとっています。その素早くうつろう様は小川の流れにも投影されています。また小さく描かれた釣り人と羊たちの姿からはこの岩地の広大さが感じられます。ロンドンに移住してからグラハムはこのような風景画を連作しています。それらはとりわけ都会の人々に鑑賞されることを意識して描かれた作品でした。
この印象的な作品はスコットランド国立美術館が所蔵しています。いつかはこの絵をこの目で見てみたいものです。
追記:油絵に描かれたスコットランドの美しい風景の数々はここからご覧下さい。