飛び込み台の男 by Gustave Caillebotte - 1877年 - - 飛び込み台の男 by Gustave Caillebotte - 1877年 - -

飛び込み台の男

油彩、カンヴァス • -
  • Gustave Caillebotte - August 19, 1848 - February 21, 1894 Gustave Caillebotte 1877年

ギュスターヴ・カイユボットはフランスの画家で――印象派の名で知られる芸術家集団のメンバー兼パトロンでありながら、印象派の大多数に比べてかなり写実的な手法で描きました。カイユボットは、芸術作品としての写真にいち早く関心を示したことで有名であり、そのことは風景画の構図にも表れています。実際のところ、カイユボットは、印象主義の後に最初に出てきた芸術運動、新印象主義の一端と考えることもできるかもしれません。カイユボットは現実をあるがまま、自分が見た通りに描こうとし、絵画が持つ大袈裟さを減らしたいと考えていました。非常に多くの芸術家と親しく交流したことが原因と思われますが、カイユボットの画風や技法は作品のによってかなり多様であり、一つの方法にしがみつくのではなく、まるで作風や技法を「借り」たり、試したりしているかのようです。

切り抜きや「ズーム」といった、カイユボットの作品全体によく見られる技法は、彼が写真に興味を持っていた結果でもあるのかもしれませんが、遠近法に強い興味を示していたことから来ている可能性も同じぐらいあります。本日ご紹介する作品は、スナップ写真のように見えます。メインとなる人物は、実は飛び込みの動きをしているのではありません――飛び込もうとする位置にはいるのですが、実際にはきちんとした姿勢を取ろうとじっと構えているのです。この男性は少しすれば水に飛び込むこととなるのですが、その直前の素早い動きに、カイユボットは最も興味をそそられたのです。