ヴィラ・メディチの庭園の景観 by Diego Velázquez - 1630年頃 - 48.5 x 43 cm ヴィラ・メディチの庭園の景観 by Diego Velázquez - 1630年頃 - 48.5 x 43 cm

ヴィラ・メディチの庭園の景観

油彩、キャンバス • 48.5 x 43 cm
  • Diego Velázquez - baptized on June 6, 1599 - August 6, 1660 Diego Velázquez 1630年頃

この絵はかなり並はずれています。当時のスペイン絵画において、風景画が描かれることは非常にまれで、依頼されるのはたいてい宗教に関する作品か肖像画でした。ベラスケスは、クロード・ロランやプッサンが実践したフランスやイタリアの風景芸術の主潮からは少し切り離されており、イーゼルを使って描くのではなく油彩スケッチを用いることは珍しいことでした。こうした革命によって、印象派が現れる200年も前に、彼は風景を題材にし光に関心を払うこととなったのです。

批評家たちは、これらのキャンバス画の主役には光と空気も含まれるのだ、ということを繰り返し唱え続けてきました。また、数十年に渡って、これらの作品がいかに特定の瞬間を捉えるための努力を反映しているか、すなわちいかにその場を取り巻く独特な空気感を描いているかということを主張してきました。加えて興味深いこととしては、ベラスケスが描いているのはパラディオ式窓――中央は開かれていて、その上部は半円状のアーチになっており、左右にはまぐさのある2つの開口部があるという建築構造なのです。