国王ルイ15世の頭部 by François Lemoyne - 1729年頃 - 21 x 29.5 cm 国王ルイ15世の頭部 by François Lemoyne - 1729年頃 - 21 x 29.5 cm

国王ルイ15世の頭部

黒チョーク・パステル、色あせた青い紙 • 21 x 29.5 cm
  • François Lemoyne - 1688 - 4 June 1737 François Lemoyne 1729年頃

フランソワ・ルモワーヌが、このフランス王ルイ15世のパステル画を制作したとき、王はたったの19歳でした。下から見たルイは、形式ばらないポーズで、かつらや髪粉もつけず、髪をおろしたままです。穏やかでも威厳ある表情で、遠くを見つめています。ルモワーヌは黒チョークの細い筆致で、若い国王の上品な巻き髪を描きました。パステルの繊細な線が、髪、目、鼻、わずかにすぼめた口へ柔らかなハイライトを与えます。輪郭の暗い影は、ルイの丸くて肉付きのよい顎先を形作っています。ルモワーヌはこの絵を、寓意の肖像画《ルイ15世がヨーロッパに平和を授ける》の王の頭部の習作として作りました。この作品は、王が平和主義者として、フランスのため中心的役割を築こうとしていた1729年に依頼されました。この絵は、もとはベルサイユ宮殿の鏡の間への入り口に掛けられており、若き支配者の肖像画であるだけでなく、プロパガンダの道具でもありました。