Gerhard Richter
今月は、ドレスデン美術館のコレクションを特集しています。今日の作品は、コンテンポラリー・アートの傑作です。
ゲルハルト・リヒターは、絵画の重要なモチーフとして写真を使ってきました。STRIP（927－9）という2012年の作品では、写真と絵画の関係が逆転しています。STRIPは、1990年に制作された「アブストラクト・ピクチャー (924-4)」にコンピュータでデジタル加工を施し、抽象的なイメージのカラー合成によってその構図と色彩を創り上げています。元の題材を完全に独立した要素に分解するために、まず元になる作品を撮影することから制作が始まります。次にコンピュータを使ってその画像の分割、鏡像化、反復を何度も行うことで、元の素材は細い垂直線に分解されます。これを90度転回して引き伸ばし、中心線を軸に鏡像化させます。このように計算された手順によって、予測不可能で一見ランダムに見えるものの、リヒターが構想した通りのストライプの組合せが現れるのです。
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P.S. ゲルハルト・リヒターの抽象画制作過程はこちら。
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