険しい山の頂近くにたたずむ一羽のカラスが、体を前に傾けておびただしい動物たちの一群に語りかけています。その下には所狭しと駆け上がる実在の動物たちと想像上の動物たち。ライオン、虎、馬、魚、鳥、ドラゴンそしてペルシアの伝承に登場する、フェニックスに似た壮麗な伝説の鳥シムルグ。
左上のテキスト部分が後世に塗りつぶされてしまったために、ここに描かれている物語の内容は定かではなく、この絵が元々どの写本に属していたのかを特定することは困難です。一説によれば、オスマン帝国の詩人ラミイ・チェレビの『シェレフ・アル=インサン』と関係があるようです。この詩は、動物たちが人間による虐待に抗議するという教訓的説話。また別の説では、有名な動物寓話集『アンワル・イ・スハイリ』との関連が指摘されています。この寓話では、一羽のカラスが他の鳥たちに呼びかけて、フクロウの王に立ち向かうように鼓舞するのです。
この絵はインド、ムガル帝国に由来し、おそらく、宮廷で写本の挿絵が流行したアクバル帝の治世後期に制作されたもの。正確な経緯はともかく、この作品では、動物たちが人間のように話し、議論し、行動する生き生きとしたコミュニティとして自然界が描かれています。見事な細部描写を見逃さないように、是非拡大してご覧ください!
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