家族 by Egon Schiele - 1918年 - 150 x 160,8 cm 家族 by Egon Schiele - 1918年 - 150 x 160,8 cm

家族

油彩/カンヴァス • 150 x 160,8 cm
  • Egon Schiele - 12 June 1890 - 31 October 1918 Egon Schiele 1918年

20世紀、人類は2つの世界大戦、ホロコースト、想像を絶する残虐行為、そしてスペイン風邪を経験しました。その恐るべきパンデミックの規模はイメージするのが難しいほどです。世界で5億人が感染し、死者は1億人を数えました。これは、第一次世界大戦の兵士と市民の犠牲者の合計を超えるものです。

エゴン・シーレは、スペイン風邪の犠牲となった偉大な画家の一人。画家の死によって未完となった『家族』には、当初『うずくまるカップル』というタイトルが付けられていました。本作は、シーレ最晩年の作品の一つ。妻エーディトと、生まれることのなかった二人の子供と共にシーレ自身が描かれています。彼は生涯最後となった手紙に、妻に対する心配を記しています。「母さん、8日前 エーディトがスペイン風邪にかかってしまいました。肺炎の症状もあります。妻は妊娠6ヶ月なのに。とても深刻で、命に関わる病気です。最悪の事態も考えています。」エーディトは、妊娠6ヶ月の身重の体のまま、スペイン風邪で亡くなります。その3日後、後を追うようにシーレもこの世を去りました。

皆さんも気をつけて!

P.S. 絵画に描かれた伝染病。新型コロナウイルスが蔓延する今、知っておくべき10点の絵はこちら