この写真はカロタイプと言われる手法で制作されています。この手法は1841年ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが開発しました。ヨウ化銀を浸み込ませたした感光紙を使う方法で、一つの半透明なネガから何枚もの写真を制作することができます。
この作品のタイトルとなっている『ストリガ』はパリのノートルダム大聖堂のシンボルになっている奇怪な彫像の名前です。フランスの著名な建築家ヴィオレ・ル・デュークが19世紀に制作しました。この写真の制作技術そのものと被写体のそれぞれが、19世紀の科学と芸術を代表するものといえるでしょう。
この彫像は半身半獣の空想の怪物です。後に立っているのはアンリ・ル・セック、19世紀の写真家です。獣と写真家は並んで街が誇る建造物の高みからパリの都市を見下ろしています。新しいものと伝統が溶け合うパリを象徴しているかのようですね。
- キャロライン・メリック
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