浜辺で遊ぶ子ども達 by Mary Cassatt - 1884 - 97.4 x 74.2 cm 浜辺で遊ぶ子ども達 by Mary Cassatt - 1884 - 97.4 x 74.2 cm

浜辺で遊ぶ子ども達

油彩 キャンバス • 97.4 x 74.2 cm
  • Mary Cassatt - May 22, 1844 - June 14, 1926 Mary Cassatt 1884

今日は国際こどもの日です。

子どもの姿を描いた画家としてまっ先に思い浮かぶのがメアリー・カサットです。彼女はパリで活躍したアメリカ人です。1886年にこの絵を第8回印象派展(最終回)に出品した彼女は母と子を描く画家として有名になりました。彼女の優しく、それでいて感傷に溺れない視点について評論家は長文のレビューを寄せました。「ああ、なんて赤ちゃん達だ!私は何度見てもぞっとする—イギリスとフランスの輩達は変に勿体ぶったポーズの子どもばかり描いてきたのだ!. . . まず最初にカサット嬢に感謝申し上げたい。私は魅力的な幼子の姿をようやく見ることができたのだから。静かな日常が実に可愛らしく愛情豊かに描かれている。」カサットは描く対象を絞り込んで、形式と彼女らしさとの両立を試みています。「浜辺で遊ぶ子ども達」を含む1883年以降の作品を見ると彼女が日本の版画の影響を受けたことがわかりますが、例えばこの作品では一瞬の情景を切り取って、対象を前に向かって斜めに配置する手法をとっています。また彼女は背景を簡略化し、見る人の視線を砂を掘って遊ぶ二人の女の子に集中させています。遊びに熱中する二人は写実的に描かれていますがこれは当時の流行でした。

この絵は1882年に亡くなった彼女の最愛の姉リンダをしのんだ作品だと考えられています。カサットはリンダの死を深く悲しみ、6ヶ月間絵筆を取ることができませんでした。この絵の中に女の子達を特定するものは何も描かれていませんが、描き方から二人が姉妹であることが想像できます。二人はぴったりくっついて遊び、互いになんの気兼ねもない様子です。おそろいの洋服を着た二人をこのように並べることによって、カサットは二人の性格や心理的なつながりをも描き出しているのです。

P.S. 有名な画家とその子ども達を見てみましょう。ジョシュア・レノルズの作品たち、とっても可愛いですね。