Paula Modersohn-Becker
パウラ・モーダーゾーン＝ベッカーは、女性の肖像画を得意とした、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したドイツ表現主義の画家。ベッカーは、キャリアを通じて700点以上の絵画と1,000点を超えるドローイングを制作した、初期表現主義を代表する画家の一人です。彼女は、1902年から1905年にかけて子供と動物の絵を何度も描いています。今日の作品はその中の一点。少女にぎこちなく抱かれた猫が、今にも腕の中から逃れようとする一瞬を捉えています。
この絵を制作する３年前に初めてパリを旅したモーダーゾーン＝ベッカー。合計４回彼女が訪れたパリは、野心に溢れた画家としてのキャリアに大きな影響を与えました。とりわけ、ポール・セザンヌやポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホなど当時のフランス前衛芸術を代表する画家たちの光り輝く色彩と表現豊かな筆致に感銘を受け、絵に色を採り入れるようになります。その結果、後に表現主義と呼ばれた様式のドイツで最初の画家の一人として、その名を知られるようになったのです。
P.S. 猫派ですか？こちらの絵には猫がひっそり描かれています。見つけてみてください。
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