青い湖のほとりの人々 by August Macke - 1913年 青い湖のほとりの人々 by August Macke - 1913年

青い湖のほとりの人々

油彩/カンヴァス •
  • August Macke - 3 January 1887 - 26 September 1914 August Macke 1913年

ドイツ、ラインラント地方出身のアウグスト・マッケは、同国のモダニズム芸術にフランス絵画の要素を採り入れるのに重要な役割を果たしました。「青騎士」のグループに所属しながらも、独自の様式を築き上げた画家。『青い湖のほとりの人々』を観ると、このことがよくわかります。

湖のほとりを散歩する一組の男女と女の子。モチーフは、ジョルジュ・スーラが描いた日曜日の情景の絵のように、風俗画の伝統に則っています。色の構成の奔放さにも関わらず、秋の紅葉の色づきははっきりと見て取れます。のどかな散歩のイメージは日曜日を思わせ、まるで天国にいるかのようです。余暇や生きる喜びは、マッケの作品に特徴的なテーマ。同サイズの大きな色の塊で画面を構成することで奥行きは失われていますが、散歩をしている動きは感じ取ることができます。画家は、シンプルな形式でキュビズムの手法を取り入れ、それぞれが異なる空間的広がりを有し、彫刻作品のような効果を持つ寒色と暖色を隣り合わせて描き、絵に躍動感を与えながらも、二次元的な統一性は維持しています。モチーフは普遍的なものですが、そこには画家がトゥーン湖で過ごした休日の様子も反映されているのです。彼は妻とともに1913年9月の終わりから翌1914年の春までそこに滞在。二人に幸せが満ちていたこの時期に『青い湖のほとりの人々』は制作されました。1年後、マッケはわずか27歳で、シャンパーニュの前線で戦死しました。

今日の作品は、カールスルーエ州立美術館の協力で紹介しました。

P.S. ドイツ表現主義は、新しい表現手法を駆使した革新的な芸術運動。後に「退廃的」とされ、ナチスによって弾圧されました。表現主義の父と言われる16世紀の画家がいます。誰のことかわかりますか?正解はこちら

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