風景の中の馬 by Franz Marc - 1910年 - 85 x 112 cm 風景の中の馬 by Franz Marc - 1910年 - 85 x 112 cm

風景の中の馬

油彩、カンヴァス • 85 x 112 cm
  • Franz Marc - February 8, 1880 - March 4, 1916 Franz Marc 1910年

フランツ・マルクは動物、特に馬に親密な結びつきを感じていました。彼はコッヘル、レンググリース、ジンデルスドルフに近いオーバーバイエルンの牧草地の丘で、動物たちとじかに触れ合い、数多の絵画、習作、スケッチを描きました。彼はきっと自分自身を、伝統に則ったスタイルの動物画家だとは思っていませんでした。そのかわり、生き物の内面を描き、生命の秘密に迫りたいと願ったのです。彼にとって風景の中の動物は、人間と自然の架け橋であり、彼は消滅してしまったそれらの結束を修復しようとしました。彼によれば、唯一“汚れなき威厳”を保っていたのは、動物たちでした。こういった考えから、マルクは色と形の自律性を発展させたのです。前景に見える聳り立つような馬の体と、中央に描かれた頭部は、激しい配色の色彩を帯びて広く背後に立ち上る水平線のない風景によく溶けこんでいます。