オデュッセウスに杯を差し出すキルケ by John William Waterhouse - 1891年 - 175 cm × 92 cm オデュッセウスに杯を差し出すキルケ by John William Waterhouse - 1891年 - 175 cm × 92 cm

オデュッセウスに杯を差し出すキルケ

油彩/カンヴァス • 175 cm × 92 cm
  • John William Waterhouse - April 6, 1849 - February 10, 1917 John William Waterhouse 1891年

ギリシア神話の物語。オデュッセウス(ローマ神話ではユリシーズ)のトロイア戦争からの帰還の旅路は、苦難に満ちたものでした。何年も航海を続けましたが、一向に故郷にたどり着けません。ある日、一行は薬学と薬草学に膨大な知識を持ち、強い魔力を備えた魔女キルケが住む島に上陸。平穏を乱されたことに怒ったキルケは、ユリシーズの部下たちを豚の姿に変えてしまいます。部下を人間の姿に戻すように説得を続けるユリシーズは、キルケと1年もの間生活を共にし、 二人の間にはラティヌスとテレゴノスという息子までできました。

今日の作品に描かれたキルケは、毒薬の入った杯をオデュッセウスに差し出して、彼の部下と同様に自らの魔力の支配下に置こうとしています。ユリシーズの姿はキルケが座る玉座の後ろの鏡に映っており、豚の姿に変えられてしまった部下の一人は、キルケの足元に横たわっています。ルネサンスの時代から、キルケは男を食い物にする女性の原型とされ、その魔力と、性的に自由な振る舞いで悪名高い存在です。彼女の姿は様々な芸術の題材になってきました。 

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P.S. ウイリアム・ウォーターハウスはキルケに魅了され、何度もその姿を描いています。魅力あふれるその作品をこちらからご覧ください!