シャーキーズの牡鹿 by George Bellows - 1909年 - 110 x 140.5 cm シャーキーズの牡鹿 by George Bellows - 1909年 - 110 x 140.5 cm

シャーキーズの牡鹿

油彩/カンヴァス • 110 x 140.5 cm
  • George Bellows - August 1882 - January 8, 1925 George Bellows 1909年

ジョージ・ウェスリー・ベローズは、ニューヨークの都会の生活の大胆な描写で知られるアメリカ写実主義の画家。彼は、アトリエの近くにあった、店の奥にボクシング・リングを備えた騒々しい居酒屋シャーキーズ・アスレティック・クラブの常連でした。元ファイターで、アメリカ海軍に従軍した経験を持つトム・”セイラ―”・シャーキーが開いたそのクラブは、試合を観戦したり、自ら参戦しようとする男たちに人気だった店。当時のニューヨークではボクシングの公開試合は違法だったため、プライベートなイベントとして開催しなければなりませんでした。通常、リングに上がれるのはクラブの会員のみでしたが、よそ者が戦う際には一時的な会員資格が与えられ、「牡鹿」と呼ばれました。ボクシングをせいぜいよく言って粗野、悪く言えば野蛮なものだと悪しざまに言う人たちもいましたが、セオドア・ルーズベルト大統領をはじめとするボクシング愛好家たちは、男らしさの健全な現れと考えていたようです。 ベローズが『シャーキーズの牡鹿』を描いた頃、ボクシングは労働者階級のための興行から、洗練された魅力を備えたスポーツへと変化を遂げつつありました。当時の人々の中には、ボクシングを、近代社会では最も強くて健康な者だけが繁栄する、という概念を表す力強いアナロジー(比喩)と捉える人もいたのです。

今日の作品は、クリーブランド美術館の協力で紹介しました。

P.S. 今日のベローズの作品は、最も有名なアメリカン・アートの傑作の一つ。絵画史上の傑作が盛りだくさんの2022年版卓上アートカレンダーをお見逃しなく!こちらからチェックしてみてください。

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