ハガル by Edmonia Lewis - 1875年 - 133.6 x 38.8 x 43.4 cm ハガル by Edmonia Lewis - 1875年 - 133.6 x 38.8 x 43.4 cm

ハガル

大理石 • 133.6 x 38.8 x 43.4 cm
  • Edmonia Lewis - c. July 4, 1844 - September 17, 1907 Edmonia Lewis 1875年

2月は黒人史の特集月間です!今日紹介するのは、エドモニア・ルイスの作品。彼女は1843年あるいは1845年にオハイオかニューヨークで生まれ、アフリカ系アメリカ人初のプロの彫刻家になりました。父親は自由黒人、母親はチペワ・インディアン。 早くから彫刻家になると決めていたルイスは、必要最低限の教育と作品展示の経験を積んだ後、ウィリアム・ロイド・ガリソンやチャールズ・サムナー、ウェンデル・フィリップスといった著名な奴隷制廃止論者の肖像をメダルに彫った作品の制作を始めます。そして、奴隷制廃止運動家のジョン・ブラウンと、ボストンの英雄で、南北戦争の有名な黒人部隊、第54歩兵連隊の白人リーダー、ロバート・グールド・ショー大佐の胸像が売れた資金で、ルイスは1865年に初のヨーロッパ旅行に出かけます。

彼女はロンドン、パリ、フィレンツェを旅した後、ローマに2年間腰を落ち着けることにします。ローマではアメリカ人女性彫刻家のグループに仲間入りし、大理石を使った制作をスタート。通常、彫刻家は現地の作業者を雇って作品の仕上げをさせますが、他人の手が入ることでオリジナル作品と認められなくなることを恐れたルイスは、すべての作業を自ら手掛けました。頭部の肖像に加えて、聖書の一場面や、ネイティブ・アメリカンの伝統や黒人の抑圧の歴史を扱った人物像も制作しています。

残念なことにルイスの彫刻作品の多くは失われてしまいました。奴隷制廃止運動家やパトロン(アナ・クインシー・ウォーターソンなど)の胸像や、アフリカ系アメリカ人とネイティブ・アメリカンの両方の血を受け継いだ出自に由来する 題材を得意としたルイス。神話を題材にした彫刻や、今日紹介した旧約聖書の登場人物ハガルのような「一風変わった作品」も制作しました。 

P.S. エドモニア・ルイスの知られざる生涯に興味がある方は、こちらをクリック。

P.P.S. 女性芸術家についてもっと知りたい方は、デイリーアートの女流画家ノートブックをチェックしてみてください。