室内の人物たち by Édouard Vuillard - 1896年 - 212.5 x 154.5 cm 室内の人物たち by Édouard Vuillard - 1896年 - 212.5 x 154.5 cm

室内の人物たち

泥絵具、カンヴァス • 212.5 x 154.5 cm
  • Édouard Vuillard - 11 November 1868 - 21 June 1940 Édouard Vuillard 1896年

『室内の人物たち』はヴュイヤールが医師アンリ・ヴァケスのパリのアパルトマンのために描いた4枚のうちのひとつ。その心臓学者はドーデやマルセル・プルーストを担当した医師ですが、近代美術の熱烈な愛好家でもありました。

間違いなく図書室として使われていたこの部屋へ、ヴュイヤールは絵自体と、その延長である、壁紙に覆われた壁とのかすかな視覚の相互作用を考え出しました。このパネルの登場人物たちは、この場の居住者の架空の生き写し。彼女たちは多色の布地と壁紙のかたまりへ溶け込んでいきます。どこか、中世後期の「ミル・フルール(訳注:千花模様とも)」のタペストリーのようにも思えます。

主題が色とりどりの点の相互作用へ溶け込んでいくこれらのパネルは、絵画と装飾美術の関係への画家の熟考を例示しており、抽象化の誕生やマティスの装飾的な絵とともに、20世紀初期の絵画における大変革を予見しています。

P.S. ヴュイヤールは生涯、女性たちから非常に大きな影響を受けました。こちらで彼らの関係についてお読みいただけます。

P.P.S. 私たちは、ヴュイヤールなどナビ派と関連のあった画家が大好きなんです。2022年のDailyArtの卓上週間カレンダーでも作品を何作か取り上げたほどです。こちらでチェックしてみてください。