C.W. Eckersberg
新しくコペンハーゲン国立美術館の特集が始まります。 同館のコレクションをぜひお楽しみください。“デンマーク絵画の父”と称されるC・W・エッカースベルグの作品から始めます。
この絵はいくつかの点から、エッカースベルグのローマの作品としてはめずらしいものです。彼は正確な左右対称の構図を制作しましたが、特徴のない建築物が、葉の生い茂るパーゴラ（訳注：つる性の植物を絡ませた日陰棚）と、ドアの向こうの木に対する飾りの役割を担っています。エッカースベルグは今回、より格式張らない植物の構造体に対して、建築物のほうを副次的に扱っています。これがどの場所のパーゴラなのかは示されていません。エッカースベルグが特定の位置を分からないように主題を選んだ例はあまりないことです。いつもの作品とは反対に、エッカースベルグは本作を比較的に幅広の筆致で描いており、彼のどのローマの風景画よりもスケッチ風に感じられます。この場合、各部分を注意深く仕上げる時間が足らないために取られた選択というわけではないでしょう。
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P.P.S. イタリアに恋した画家はエッカースベルグだけではありません。ジョン・シンガー・サージェントによるイタリア・カプリの素晴らしい眺めをご覧ください。