『グリッド』はワシリー・カンディンスキーの1923年の水彩作品。宙に浮かんでいるようなカラフルなラインと円、三角形。そして画家によれば、非常に対照的な2人の人物が描かれているダイナミックな構図です。
1920年代、カンディンスキーは精力的に作品を制作します。1922年には国際革新芸術家会議に出席。バウハウスでデザイン基礎を教え、絵画コースや芸術と心理学の関係を探るワークショップでも教鞭を取りました。1923年にはパウル・クレー、リオネル・ファイニンガー、アレクセイ・フォン・ヤウレンスキーと共に「青の4人」を結成し、1924年には米国で講演や作品展示を行っています。
幾何学はカンディンスキーの指導における中核を成し、その作品にも円や半円、角度、直線、曲線が頻繁に現れますが、これはロシアで触れ、バウハウスで理解を深めたシュプレマティスムとロシア構成主義に着想を得たものでした。彼は色彩により深い意味合いを持たせ、知覚体験と色彩とのつながりを探求したのです。
アルベルティーナ所蔵の今日の作品は、ヨーロピアナの協力で紹介しました。
P.S. カンディンスキーがお好きな方は、彼の代表作の高精細複製画はいかがでしょうか。
P.P.S. カンディンスキーの制作工程に興味がある方は、1926年の貴重なフィルム映像をご覧ください!