静物 by Robert Duncanson - 1849年 - 41 x 51.28 cm 静物 by Robert Duncanson - 1849年 - 41 x 51.28 cm

静物

油彩/カンヴァス • 41 x 51.28 cm
  • Robert Duncanson - 1821 - December 21, 1872 Robert Duncanson 1849年

ロバート・ダンカソンの作品に静物画の作例は少なく、現在知られているのは7点だけ。多くの静物画家の例に倣って、リンゴ、ブドウ、オレンジ、レーズン、ナッツ、パイナップル、ハチの巣などの様々な食べ物が描かれています。パイナップルとハチの巣はエキゾチックな食べ物とされ、ビクトリア朝時代の静物画のモチーフとして好まれました。南部ではパイナップルはホスピタリティの象徴。今日紹介する作品は、19世紀初頭と中期という2つの異なる時期のアメリカの静物画の典型的な特徴を併せ持つ移行期の1点です。それは1849年という制作時期のせいでもあり、芸術の発展が東部より若干遅れていた西部の辺境で制作されたという背景も影響しています。

毎年2月は黒人の歴史を特集します。ロバート・ダンカンソンはヨーロッパとアフリカの血を引く19世紀アメリカの風景画家。トマス・コールらアメリカの風景画家の影響を受けて風景画の分野で名を馳せ、ハドソン・リバー派の第2世代とされています。南北戦争以前の自由黒人として、彼の制作活動を支援する米英の奴隷制廃止論者のコミュニティで活動したダンカンソンは、国際的な名声を得た初めてのアフリカ系アメリカ人として知られています。 

P.S. ダンカンソンの静物画はフード&ドリンクのポストカード50枚セットにも採用されています。