Bill Traylor
独学で絵を学んだ、アラバマ州ラウンズ郡出身のアフリカ系アメリカ人ビル・トレイラーは、20世紀アメリカで最も重要な画家の一人とされています。奴隷として生まれ、奴隷解放宣言後も含めて生涯のほとんどを小作人として過ごしました。85歳になってから、目の前の出来事や過去の思い出を絵に残すことを始めます。1939年から1942年にかけてモンゴメリーで日銭を稼ぎながら路上生活を送り、1500点に及ぶ作品を制作。その作品は死後30年が経った1970年代後半になって広く注目を集めるようになりました。
トレイラーは捨てられた段ボールを拾ってきて、生き生きとしたシルエットの人物や動物の独創的な絵を描きました。最初は鉛筆書き、その後絵具で。宗教的な要素を含んだ、単純な形を組み合わせた抽象的なイメージも見られます。繰り返されるシンプルな記号、形と人物で、自身の経験と都会や地方での見聞を描いたトレイラー。モダニズムとナイーヴ・アートのユニークな融合です。
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