室内若い女性 by Jacobus Vrel - 1660年頃 - 55.7 × 41.3 cm 室内若い女性 by Jacobus Vrel - 1660年頃 - 55.7 × 41.3 cm

室内若い女性

油彩、パネル • 55.7 × 41.3 cm
  • Jacobus Vrel - 1654 - 1662 Jacobus Vrel 1660年頃

ヤコブス・フレルは、オランダかフランドル、もしくはヴェストファーレンの画家で、オランダ黄金時代の室内空間や町並みを描いた画家です。大抵は飾り気のない室内の絵を描き、ときには家事に従事する人や窓の外を眺める人の後ろ姿を描くこともありました。

この心地よい作品には、病床に伏せる女性のそばに座り、開かれた扉の向こうを静かに眺める看護師がいます。絵の場面は、まばらに物が置かれた部屋。殺風景な白壁で、暖炉、窓、ドア、皿で飾られたマントルピース(訳注:暖炉の上部等に設えた装飾)があります。人物はそれぞれの思いにふけり、相互のやりとりは無いようですが、物語がなくとも神秘的でおだやかな雰囲気が作られています。シンプルな構造の部屋に映る光と影によって、この静寂はさらに広がります。

フレルについては、活動場所も含めて、分かっていることはほとんどありません。彼の室内絵の親密で落ち着いた雰囲気は、デルフトの画家のヨハネス・フェルメールやピーテル・デ・ホーホとの精神的なつながりを感じさせます。しかしながら、フレルがデルフトで活動していた根拠はありません。興味深いことに、フレルの最初期とされる作品は、フェルメールやデ・ホーホらの作品よりも以前の日付です。つまり彼は、それらの画家とは無関係に独自のスタイルを築いていたのかもしれません。

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